近い未来、ECサイト事業者はトラック運転手不足により店頭受け取りが必須になる!?
タイトルを今回一番印象に残った言葉にしてみました。
先日、リテールテックJAPANへ行ってきましたので、参加したセミナーで特に印象深かった内容のメモをアップします。
セミナーもすべて無料でしたので、時間の都合がつく方は参加してみてはいかがでしょうか。(事前登録者のみだったかもしれません。。。)
リテールテックJAPANとは
主に流通・小売業を来場対象に、POS、決済システム、チェーン本部システム、在庫・物流管理システムなど、流通業界の経営やビジネスを支える最新のIT機器・システム、関連サービスが一堂に紹介される国内最大の展示会です。(引用元:JETRO)
つまり小売業を営んでいる企業で、ITに対して悩まれている、または最新の情報を収集したい方は、展示会の参加されると何かしら新しい情報をインプットできますよ的なやつです。現在開催中のものは3月6日までのようです。
以下、セミナーのメモを残します。聞きながらメモっているので抜けている箇所や言い回しが異っていた箇所もあると思いますが、参考までにして頂ければと思います。
ユナイテッドアローズ(UA)
店舗送客の為のECという位置づけ
好調の要因
・UAオンランストア
①実店舗連動の強化
②店舗送客に対する販促とEC会員化施策の実施
・ZOZOTOWN・他モール
①在庫連動の取り組み
②ネット通販売上を極大化させる組織づくり
・直営ECサイトの位置づけ
①ECは販売チャネルではない
②あくまで店頭の為のECサイト
データの裏付け
店舗のみ利用顧客の年間購買金額:約42,000円
EC・店舗併用顧客の年間購買金額:約107,000円(約2.5倍)
併用顧客は実質、2回以上の購入者のみのため数値は必然的に高くなるが、顧客あたりのロイヤリティを高め、店舗の売上を押し上げているという見解
UNITED ARROWS オンラインストアの前身、LICLIS(リクリス)の失敗
①サイト名がまったく新しく既存顧客にとって馴染みのないもの
②店舗と異なる商品を置いた
└ECサイトのターゲットを誤っていたことが原因
UNITED ARROWS オンラインストア店舗連動の取り組み
・ショップスタッフを起用したスタイリングコンテンツ
・ハウスカード登録連携
└EC⇔店舗の導線を設けた
・ハウスカードのポイント連携
└ポイントの種類が複数あることは現状の課題
・giftカード連携
・店頭在庫表示
・オンラインでの商品取り寄せ機能(70%程度が買上に繋がっている)
・商品検索用メモカードを配布
└接客後に悩まれている顧客へのフォロー
・株主優待制度をオンラインへも適用
・オンラインストアアプリ(バードードスキャンは利用されていない為、改善が必要)
UNITED ARROWS オンラインストアその他の取り組み
・ブランドサイトとオンラインストアとの連携
・動画での商品紹介(現状休止、今後稼働する可能性あり)
・Googleローカルショッピング
・オンラインフィッティング(Virtusizeの利用)
ネット通販全体の取り組み
・物流在庫連動の取り組み
・商品画像をすべて自社撮影(他モールの写真と直営ECの写真を統一)
・組織体制(ブランド事業部にもEC売上をコミットしている)
今後の課題と展望
UNITED ARROWS オンラインストア
①接客コストを店舗以外での場で還元させる仕組みづくり
②実店舗への送客強化
ネット通販全般
①売り場、見せ方においてブランドの世界観に徹底的にこだわる
②店舗送客の為のサイト活用
スクロール
オムニチャネルのキーワード
・クリック&コレクト
・エンドレスアイル
・SNS
・ショールーミング
オムニチャネルで失敗している企業
①オムニチャネルを売り場拡大としか見ていない
②フルフィルメントの重要性を理解していない
③ネット通販の接客を重視していない
顧客との関係性が重要
①顧客との関係性を重視している
②フルフィルメントで失敗して逆に本業(店舗)の評価を落としている
③実際はネット通販の方が接客に優れている
オムニチャネルの実現フロー
①目的をはっきりとする
②ネット通販を理解する
③フルフィルメントの組み立て
④リアル店舗との連動
フルフィルメントで失敗するパターン
①B2B倉庫でB2C通販をやろうとする場合
②1日のオーダー件数が50件以上でアウトソーシング
③アウトソーサーはネット通販に精通した物流会社を選定
物流の将来性
①宅配貨物の増大(10兆円→20兆円、30億個→50億個)
②リアル店舗が新たなラストワンマイルの物流基地に
③オムニチャネル対応倉庫(倉庫機能から組み立てる)
まとめ
今回セミナーに参加して一番刺さったのは、
「東北地方の復旧作業や東京オリンピック」でトラック運転手が活躍
↓
通販の物流部分でトラック運転手不足に陥る可能性がある(すでに陥っている?)
↓
通販サイトの顧客満足度を維持するためには物流面は重要のため、今後それを補うために店頭受け取りという1つの選択肢が注目されるのではないか
ということです。
お恥ずかしながら、まず店頭受け取り機能の重要性をその視点で見たことがなかったなーと気付かされました。。。
こういった外的要因もあり、ユーザに必要とされている「店頭受け取り」や「宅配ロッカー」という商品受取りの選択肢は、ECサイトの売上を上げていくために、近い将来考えなければいけない問題なのかなと思います。
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